65歳以上の高齢者が占める割合は、ついに15歳以下の人口を超えました。今後は団塊の世代が後期高齢者になっていくにつれ、ますます社会福祉費用が増えることでしょう。高齢者が増えるということは、それだけ葬儀の数も増えるということになります。
昨今、高齢になっても子供と同居はせず、高齢者夫婦だけで暮らすお宅が多くなりました。そうしたお宅ではギリギリの年金生活ということが珍しくないため、葬儀をすることになっても、お葬式の費用が出せないという声がよく聞かれます。
確かに100万円を超える費用が必要になることを思うと、お葬式が出せないという声も切実なものとなります。青森県でも最近よく選ばれているのが直葬で、火葬をする時にお弔いを一緒に行う葬儀スタイルです。ごくごく近しい人たちだけで送れれば、それで十分と考える人が増えてきたということかもしれません。
一般的な葬儀では、通夜のあとに火葬を行います。しかし青森県をはじめ東北地方には、お通夜の前に火葬を行う「前火葬」の風習があります。かつて青森県を治めていた殿様が真夏に亡くなり、遺体の腐敗を防ぐため、葬儀の前に火葬したという言い伝えがあります。
前火葬の習慣はこれが元になっていると言われていますが、由来には諸説があります。また、青森県独特の習慣として「もがり」があります。約150cmの木の棒2本をクロスさせてバツ印を作り、葬式をする家の門に飾るのですが、「この家で亡くなった者が葬儀を待っている」という意味があります。
その他、青森県の地域では、骨壺に納めずに納骨することがあります。この場合、火葬場で収骨して骨壺に納められた遺骨を、容器から取り出して墓に納めます。独特の習慣はありますが、青森県の葬儀は9割以上が仏式です。